漆器との出会い

お重箱


「漆」や「漆器」を初めて身近に感じたことは何だったかと思い出すと、お正月のおせち料理のためのお重箱を、思い切って購入した時だったと思います。

実家の母は料理好きで、おせち料理は必ず手作りという人で、家族を持ってからも毎年作ってもらったものを持って帰り、きれいに盛り付けて出すだけ、というお正月だったので、普段の容器ではなんだかその料理の手間に釣り合わない気がして、せめて入れ物だけでもちゃんとしたものを用意しようと思ったのがきっかけでした。

雑誌でみて、訪れた青山の漆器屋さんでとても好みの一品に出会いました。それはある漆芸作家さんのもので、布目を残す技法「布目塗り」のもの、いわゆるお正月らしい伝統的な柄ではなく、素朴な感じのもので、華美でもなく、といって質素というわけでもない、程よいアクセントがあるところが好みでした。個性的ではあるけど、主張しすぎていない感じというのでしょうか。にぎやかなお節料理が収まっても落ち着いて見えて、堂々としている気がして。初めて心底気に入った漆器でした。今でも大事にしていて、毎年お正月に使い続けています。

これが初めて自分で買った「漆器」で、当時でも結構なお値段でしたから、20代の私にはとても勇気のいる買い物でした。

漆器の素晴らしさはこのお重箱が30年たった今でも全く古びれずにつややかなことが証明していると思います。息子の家族がいつか受け継いでくれたらいいなと思っている大切なアイテムです。

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